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今年15冊目の本は、前回に続き森見登美彦氏の小説「夜は短し歩けよ乙女」でした。
(14冊目は「名前のない人」という絵本を読みました。これもまた味のある本で、ストーリー自体が実は意味不明なのですが、絵のインパクトとともに印象に残るお話でした。中に出てくるお父さんが左利きのフィドラーというのがカッコいいですね)
それはともかく。
読み始めたのが先週の日曜日、ディズニーシーの入場券を買うために並んでいた時だったので、ん?、いや、その日の朝にベッドでごろごろしながら読み始めたのか?忘れちゃったけど、毎日少しずつ、でも早いペースで読み終わりました。すいすいです。
「新釈:走れメロス」と同じく舞台は京都です。
五月の夜の木屋町辺り。真夏の古本市。学園祭。風邪が蔓延する冬至。舞台は四つですが、一貫して語られるのは、黒髪つややかな乙女に恋する先輩の可憐な恋心です。何とか彼女の視界に入りたくて、彼女と接触を持ちたくて、コツコツと努力するさまに、乙女の端くれとして涙が出そうになりました。
私は女性なので、女性の恋心は難なく理解できます。が、男性のそれは性別ゆえに遠い存在だったりします。男のひとも、好きな女性を想って眠れなくなったり、想い過ぎて熱を出したり、ふて寝をしたり、つまらないやきもちを焼いたり、それで自己嫌悪に陥ったり、急にいつもと違う色の洋服買ってみたり、流行りの曲に自分を重ねてみたり、海に向かって叫んじゃったり、妄想にふけったり、するのでしょうかねぇ。男性の方がロマンチストなんて言いますねぇ。
この本の中の先輩は、乙女に近づくためにコツコツと外堀を埋めるのに半年もかけて、挙句に「本当は惚れていないのではないか」と悩んだりするわけです。乙女はそんな気持にも気付かずに、独自の道を歩んでいます。それがまたかわいらしいのです。
「先輩がんばれ」とエールを送りながら読み進めてふと考えました。一方通行の恋心が、途中で出会って通じるのって、すごいことなのでは・・・。好きな人に好きになってもらうのって、ものすごいものすごいことなのでは・・・。自分を好きになってくれた自分の好きなひと。大切にしましょう。
文中のひとつひとつの言葉が、京都という舞台も手伝ってか一層日本らしい彩りを添えています。聞いたことない日本語が次々出てくるのですが、ほんわかした空気で物語が進むせいか、どれも大切にしたいと思う言葉ばかりです。不思議な本です。
◆2010年7月、40歳で結婚。今は専業主婦をしながら日々楽しいことを探しています。
◆勉強も好きで、2006年CDA(キャリアカウンセラー)、2011年FP3級とFP2級を取得しました。知りたいことがたくさんあるので、今後も勉学に励みたいと思います。
◆映画「かもめ食堂」を見て、北欧のインテリアや小物が大好きになりました。特にmarimekkoが好きで、バッグを愛用しています。
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